知識は、知識でしかないのです。
知識を自分に入れるのは、それを知恵として使うためなのですね。
でも、それを知恵として使うという法則も、身に着けている人が少ない。
真逆の美肌論 3
知恵を使うのは自分のためです。
情報はいっぱい持っているけれど、横幅はいっぱいあって間口は広いけれども、それを使ってどういう成果を出していくのかという「極める」という部分、この縦の部分になると、どうも弱い人が多いのではないかと思うのです。
私は50年前に大手化粧品会社に入って、美容部員としてスタートしました。
そのスタートをした時にものすごくたくさん疑問がありました。
その当時で、600以上のアイテムがあった。すごい数ですよね。
それを勉強するだけで3か月の研修期間があり、そのハードスケジュールでプロポーションもよくなっていくの、痩せてね。それもひとつの策なのでしょうね(笑)
その時の疑問は、「なぜ600種類以上も必要なのか」ということ。
値段でランクがあるのだけれど「その差がどういうことでつけられているのか」ということでした。
考え方としたら「みんな肌が違うからそれぞれに合わせたものを進める」ということですが、私には疑問でした。
肌ってそんなに違うものなのかしら?
例えば内膜や内臓も一緒でしょ。私たちのカラダはつながっていますからね。
だとしたら食べるものだって、人によって違ってこないとおかしい。
けれど、食べるものはほとんど一緒で、でも化粧品は違う。
なんだかバランスが悪い。府に落とし込めない、というのがありました。
6年間勤めて毎日化粧をしているうちに、眉毛が全部抜けてしまったの。6年間眉を抜いて描いているうちに、新しい眉が生えてこなくなってしまったのね。
それで、やめたのです。
基礎化粧品の目的は、肌をきれいにすること。
このお手入れは、皆さんちゃんとしていますよね。
時間も手間もお金もかけてかなりのレベルでしているのだけど、なぜ服を着ているだけのカラダの肌よりも、お手入れをしている顔の肌に問題を抱えているのかしら。
この状態を見て私は、「あ!これは化粧品の成分の問題なのだな」と考え始めたんです。
基礎化粧品って、水と油と化学成分と美容成分からしかできていないのです。
それらの何かが影響しているのではないか?と考えました。
それなら自分でつくってみよう。自分の考えで。
私たちは内臓が元気だったらよい肌ができてくると思うし、だったら内臓がどうすれば元気でいられるかというとそれなりの条件が必要になる。
その条件を探ってみました。
カラダのリズム、メカニズムを考えていったときに、栄養を与えるということではないんだ、とわかってきたのです。
ある年齢まで栄養を与えなくてもきれいな肌ですよね。
なぜだろう?というと、内臓が元気だから。
成長期も含め内臓が元気だと肌もきれいなんです。
もうそこまでいくと答えが出てきますよね。
内臓が元気ではなくなる、つまり老化していく中で肌がきたなくなっていく。
なぜきれいじゃなくなるってくるのだろう…。
足のかかとを見ればわかるように、それは古いものが溜まってくるからなのですね。
溜まったものを自分では十分にとりきれなくなる。新陳代謝が悪くなるからです。
じゃあ、その古いものをとってあげるのが「お手入れ」なんだと、わかったのです。
(第4回へつづく)