『Nature Communications』に掲載された研究論文。
References:media.utoledo / nature/ written by hiroching / edited by parumo
まだまだ解明されていないことが多い、精子の構造。
いま増え続けている不妊に繋がるトリガーとなるのでしょうか。
いま、不妊の原因は男女半々にあると言われています。
赤ちゃんが欲しいからといくら女性がやっきになっていても、男性の意識や生活スタイルが大きな要因を握っています。
昨今では、年々の速さで、男性が1回に射精する精液に含まれる精子の数は、減少を続けているといいます。
欧米の男性で調査をした2017年の研究によると、1973年〜2011年の約40年間に、精子濃度が52.4%、総精子数が59.3%減少したと報告されています。
この40年で濃度もその数も半数以下になってしまったという、その事実です。
これは男性不妊に繋がる、大きな事象と要因といえそうです。
これには、日常生活でもはや切り離すことができない化学物質が、精子そのものの劣化を引き起こしている報告もありました。
また追い打ちをかけるようなショッキングな発表として、不妊や流産、出生時の異常など、あらゆることに関連する可能性のある、まったく新しい精子の構造が発見されたそうです。
「精子に存在している異型中心小体」
私たちの細胞内にある中心小体という構造が、細胞分裂を助けているそうです。この中心小体のなかに、異型中心小体といわれるものが精子の中もあるということを、アメリカ・トリード大学、トマー・アビドー=レイス氏率いる研究チームが発見したそうです。
「異型中心小体の形成と機能における異常は、原因不明の不妊となり、治療方法がない夫婦の根底にあるものかもしれません。それはまた初期の妊娠の損失や胎児の発育不全においても影響を与えているかもしれません」とレイス氏は述べています。
機能する中心体を作るには2つの中心小体が必要ですが、精子が卵子に与える中心小体は1つだけで、受精後に複製されるのだと、これまでは考えられていました。
「母親の卵子は中心小体を提供せず、父親の精子で特定されているものは1つだけだったため、受精卵の2つめの中心小体がどこから来るのか知りたいと考えていました。これまで見過ごされてきたのは、構造とタンパク質の組成という点で、既知の中心小体とはまるで異なっていることが原因でした」
この発見により、第二の中心小体は重複されるのではなく、最初からあったと仮定できるそうです。この構造が不妊に関するすべての元凶かどうかはまだ限定することはできない、とされています。
しかし、これまで原因不明の不妊や流産などについての研究がさらに進むことになりそうです。
事実としてはっきりしているのは、このわずか40年で精子の濃度も数も半数以下に激変しているということです。原因ははっきりと特定されないものの、化学物質や電磁波に囲まれた現在の生活様式がその一端を担っていることは、誰もが否定できない事でしょう。
まず、体に取りいれる食事は、できるだけ自然で安全なものを摂取するようにする。
PCやスマホから離れ、ウォーキングをしたり一緒に体を動かすことをする、など40前くらいの社会生活を参考にしながらリセットすることも大切だと思われます。
精子も卵子も新しく細胞として生まれ成熟するまでに約3カ月が必要とされます。
しかし、逆に考えれば3か月単位で生活様式を変えていけば、健全な心身へとリカバリーしていくチャンスがあるということ。
べビ待ちさんご夫婦は、ふたりでもう一度、あるべき生活スタイルを構築直すもの大切ですね。
それはまた、赤ちゃんが授かってからもとても大切な生活スタイルとなるはずですから。
参考文献:
『Nature Communications』
References:media.utoledo / nature/ written by hiroching / edited by parumo