ヨーガは現代人にどのような効果をもた らすか

ヨーガは現代人にどのような効果をもたらすか
アーユルヴェーダとヨーガの深いつながりからの考察

ヨーガは5千年の歴史のある心身バランス法です。
現代のように様々なポーズをとるヨーガが主流となったのは、12世紀頃からで、「ハタ・ヨーガ」と呼ばれます。それまでのヨーガは修行的要素の多い「ラージャ・ヨーガ」(瞑想のヨーガ)が主流でした。「ラージャ・ヨーガ」には多くの禁止事項があり、大変厳しいものです。

現代世界中に広まっている「ハタ・ヨーガ」は厳しい修行的なものでなく、仕事を持っている人も、家庭を持っている人も、だれでもが手軽にヨーガを実践して心身ともにより健康で生き生きとした日々の暮らしが行えるようにポーズ、呼吸、心の安定を図る瞑想から構成されています。ここでは現在世界に広がっている源流を「ハタ・ヨーガ」に焦点を絞りヨーガの効果と注意点などを考えていきたいと思います。

ヨーガの目的
現代世界に広がるヨーガは、アーサナと呼ばれるポーズをとり、プラーナーヤーマと呼ばれる呼吸法とイメージを大事にして心身の統一を図る健康美容法です。アーサナ(ポーズ)は7万2000種類もあるともいわれます。その様に聞くと、そんなにたくさんあったらまずは習得できない、と考えられるかもしれません。またヨーガと聞くと、多くの方が「身体が固いとできないのではないかしら」と思われます。

実はこれらはすべて間違いの情報です。
ヨーガで取るポーズはすべて自然界にある植物や動物、生物、聖者たちの形に起源があります。そのためヨーガのポーズで大切なことはイメージです。
ただ筋肉や骨を動かすだけでポーズをとるのではないのです。それはまずヨーガでは生命は五鞘から成り立つと考えます。

図のように私を取り囲む環境。その環境からの情報を五感を通して受け取っていきます。
その時ヨーガでは身体だけが独立して存在しているのではなく、身体に緊張があると心にもゆとりを忘れ、息は短く吸う息が強くはけない状態になりやすく、やがては過呼吸となると考えます。また呼吸を長くゆっくりするだけで身体と心にゆとりが出るとも考えています。

外から見て三つ目までの鞘が身体と気(呼吸)と心で、その3つの鞘をヨーガでは扱っていきます。
それはそれら3つの鞘のバランスが4鞘の汚れ、つまり理知の誤りを解消させ潜在意識の中をきれいにし、間違った自分自身を痛めるような選択を行わないようにさせるためです。そのことでより内側の至福の鞘に気づき、しいては私たちの存在の核となる真我(純粋観照者:すべて変化するものを見ている存在の核となる変化しない真の自己)につながることがヨーガ(つながる)という意味であり目的です。その結果ヨーガは心身にバランスと健康をもたらすと考えられます。

図―1 五鞘図

ヨーガの実践における効果とマイナス面
ヨーガはいままでお話ししてきたようにセルフケア的な心身のバランス法です。
そのため心身バランスを図る同じ目的とする者との相性は大変よいです。図のように様々な手法とすでに手を結んでヨーガは実践されています。代表的なものを挙げてみます。

図―2 相乗効果とマイナス面

これらはほんの一例で、世界では様々な自然療法などとヨーガをコラボさせています。一つ言えることは、「ヨーガにとって極端なこと、やりすぎが一番のマイナス面」であることです。

最近整体やカイロプラクティックを訪ねるヨーガ実践者も多いとの報告があります。そのほとんどが、身体の限界に挑戦して、関節を必要以上に使い、靭帯などを伸ばしすぎ結果骨格がゆるゆるの状態になった人です。その方たちはヨーガの指導はの形のみをまねたり、本にあるポーズを無理に頑張りまねるようにしてやり過ぎ身体を壊しています。
またあまりに筋肉の力でポーズを行い女性でも逆三角形の体形になること。これらはヨーガの目指すところと少しかけ離れています。

そこで私が提案するのがアーユルヴェーダとヨーガとのコラボです。

アーユルヴェーダ・ヨーガについて
アーユルヴェーダの理論をベースにすることで、季節、一日の時間、年齢、自分の体質などを考慮したヨーガのプログラムが可能になり、身体に負担がない心身のアーユルヴェーダが説く健康に導きやすいからです。アーユルヴェーダでは健康を「ドーシャ(身体のエネルギー)バランスが取れ、アグニ(消化力)が高く、排泄もスムーズで、痩せすぎも太りすぎもしない身体で、心も五感も意識も真我も喜びに満ちている」(スシュルタ・サンヒター)と定義しています。
アーユルヴェーダの説く一日のリズムの考えを取り入れてヨーガの実践を行うことで、心身のリズムをバランスしやすい。朝は軽快なリズミカルなスーリヤナマスカール(太陽礼拝)や反るポーズを中心にしてパワーアップを図り、日中は代謝を上げ、頭の回転をよくするようにねじるポーズを取り入れ、夕方は一日の疲労を取るためにリラックスする安定したゆっくりした前屈系を行う。さらに夜の遅い時間のヨーガの実践は避け、夜は9時までにはヨーガの実践を済ませ、一日の身体のバランスを図るために心臓より下になっていた足を上にあげる逆転のポーズなどが勧められます。

ただし逆転のポーズは生理中に行うことは禁忌です。ヨーガでは生理中は身体を逆にするようなポーズや腹筋を使うものを避けることが大切です。それは経血の流れを乱し、筋腫などの危険をはらむといわれています。一日のリズムとヨーガの実践をつなげると相乗効果が期待されます。

また季節も大変大切です。現代は旬のものがわかりにくくなり、一年中同じようなものを食べ、身体や心の季節のリズムを見失っていることがあります。春は「春眠暁を覚えず」といわれるように寒かった冬の氷が解けて身体や心がゆるんできます。また骨盤も開く季節と言われます。
そのためアーユルヴェーダ的にはこの季節のヨーガは少しリズミカルにひとつのポーズを繰り返すように行います。

ポーズなどで骨盤も適度に締めていくことが提案できます。呼吸法は下腹部を息を吐くたびにふ、ふ、とへこませ急速に早い呼吸で身体をエネルギッシュにします。また日本の夏は高温多湿。暑さの中に湿りけが勝ち、火の要素である消化力が落ちやすくなります。そのような季節ではねじることなどを取り入れ、消化器系の解毒を図ったり、シータリーという冷却呼吸(舌を丸めそこから「シー」という音とともに息を涼しい風が入るとイメージして吸い、その後暑さや熱を吐き出すという呼吸法)が勧められます。

秋は実りの秋ですが、夏の疲れが残り体調を崩すことも、そのような秋はアーユルヴェーダでは月の力を取り入れ心を安定させることも大切です。月のポーズなどが秋には最適で、呼吸も蜂音の呼吸というものがあります。これは息を吐くときに「んー」という音を眉間に向けてだしていきます。その際両手で目や耳を抑えて外の音をシャットアウトして、音が脳の中を洗うようなイメージで行います。

冬は旬のものに根菜類が出るように私たちをバランスすることは安定して温かくすることです。そのため冬はゆっくりと一つ一つポーズの持続時間を長くしてそのポーズの中で十分リラックスできるような特に前屈系のものなどもお勧めです。

このようにもともと同じルーツを持つアーユルヴェーダとヨーガは最強のコラボです。
このコラボでヨーガのポーズの取り方、種類、呼吸法など個人個人に合ったものなどを選びやすくしていきます。この考えから岩盤ヨガは身体に湿り気と冷えのあるタイプにむいていることや、アロマを使用する場合も時間アロマ学からの選択など、マイナス面を可能にする智恵があると考えられます。

図―3アーユルヴェーダとヨーガ

最後に
もともと修行者のためのヨーガは代替医療および補完医療としても世界で認められるようになってきています。それは、ヨーガは身体と心、呼吸の結びつきを大切にし、ストレス軽減効果なども認められているからです。シンプルなヨーガは道具も薬もいらない簡単なセルフケアとして、これからさらに日本に世界に広がっていくと確信しています。

己を知り、己の力以上に挑まず、己を見つめていく先には必ずや希望の光が射すことでしょう。

投稿者: 西川眞知子

西川眞知子
日本ナチュラルヒーリングセンター アーユルヴェーダ自然療法家 西川眞知子 神奈川県生まれ。上智大学外国語学部英語学科を経て、佛教大学卒業。第24代ミス横浜。米国ニューオリンズ世界万国博覧会コンパニオン。幼少期の病弱を自然療法で克服したのをきっかけに、大学時代にインド、アメリカなどを歴訪し、ヨーガや自然療法に出会う。それらの経験と研究を元に、「日本ならではのアーユルヴェーダ」を提唱。体質別健康美容法を提案し、独自な簡単生活習慣改善プログラムを構築。健康美容のコンサルティング、商品開発などに携わるかたわら、講演、セミナーなどをこなす毎日を送っている。講演やセミナーは独自の発想が好評を博している。 ● 株式会社ゼロサイトグループ代表取締役 ● 日本ナチュラルヒーリングセンター代表 ● 西川眞知子アーユルヴェーダ研究所代表 ● アーユルヴェーダ医療融合協会理事 ● 日本パステルシャインアート協会副代表 ● 日本アーユルヴェーダ学会評議委員 ● 内閣府NPO日本アーユルヴェーダ協会理事 ● たかの友梨エステティックアカデミー講師 ● 日本チベット研究会理事 ふるさとテレビ顧問 ------ アーユルヴェーダネーチャーケア学院 http://www.jnhc.co.jp/ 公式ブログ https://ameblo.jp/nishikawa-machiko/ ------ <主な著書> 「生命の科学アーユルヴェーダ」農文協、「アーユルヴェーダ入門」地球丸、その他、マイナビ、二見書房、メディカルトリビューン、ビジネス社、大和出版、PHP出版、日経BPより 著書30冊以上

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