「年齢の壁」については、以前にお話しいたしましが、それが妊娠を妨げる大きな要素であることは、間違いの無い事実です。
卵子も精子も、年齢が高くなるにつけ劣化するのは当然で、それだけでも妊娠しにくくなるうえに、母体そのものもあらゆるところで、老化の一途を辿っています。そのダブルのリスクが不妊に繋がっているのは確かなのですが、年齢を筆頭に挙げ急ぐあまり夫婦間での男女の営みを置き去りにした、高度医療第一主義にも大きなリスクが存在することをお伝えいたしました。
不妊治療を受ける必要の有る方(夫婦どちらかの体に問題があり治療をしないと機能が働かない)は、迷わずに先ずは機能回復のために治療を受けることが優先ですし、治療の方法があるのなら迅速な対応が必要です。
けれどそうでは無い方が、同じように治療を受けているからと安心してセックスレスになっているのなら、それはとてもおかしな現象です。
疑う余地も無く、本来なら二人の交わりがあって、初めて妊娠への道筋が開かれるのですから、なかなか結果に繋がらなくても、そこは諦めずにチャレンジしていくのが正道では無いでしょうか?
そこで問題となるのが、セックスライフです。
日本では特にセックスに関しては女性は受身で、男性にお任せしっぱなしの傾向が強いように見受けられます。積極的に自分たちのセックスライフを変えていこうとする試みがなされていないと感じています。
かく言う私も、自分がそうだったのかと云いますと、皆さんと全く変らず受身でした。
自分から誘う事にも躊躇しましたし、ものすごく勇気も要りました。だから、女性の皆さん方が手をこまねいておられるのも痛いほど分かります。
けれど時代は恐ろしい勢いで流れており、それに伴う変化には、うかうかしていると完全に取り残されてしまいます。妊娠にしても、同じ事が云えるのではないかと思えるのです。
現在は女性が男性と肩を並べ、責任も同等に負いながら仕事をする社会です。家事を分担するのが当たり前なら、育児も双方で担うのが有るべき姿となっているいま、セックスライフにおいても、女性はもっと積極的に自らの気持ちや感情を、発露させても良いのではないでしょうか?
むしろ、そうなってしかるべき時に来ているように思えます。
海外の映画やドラマを見ておりますと、男性に負けず女性も、自分が求めるままに自由奔放に性を楽しんでいる姿が描かれています。この[楽しむ]ことが、とても大切な要素なのだと思うのです。楽しい事は誰でも好きですし、頻繁にそれを味わいたいとも思う筈です。
そしてそれを男性だけに委ねて待つのではなく、積極的に、時にはリーダーシップを持って、自分のカラダが喜べるようなセックスを追い求めて欲しいのです。
一度チャレンジしてしまえば、二度目からは抵抗が少なくなると思いますので、最初の行動に移せるか否か、そこがキーポイントになるでしょう。だから勇気を奮い起こし、その一歩をしっかり踏み出せるように気持ちを強く持ち、新しいが妊活の扉を開いて下さい。そして男性もそれを良しとし、そのスタイルを完全に受け入れ、共に楽しめる感覚を養って頂きたいと思います。
心もカラダも満足するセックスは、間違いなく二人の絆をより強めます。その結果、男性の精子君はよりフレッシュでピュアな存在へと変化し、女性は頸管粘液がたっぷりと出て、精子君にバリアを張って守りつつ、卵子ちゃんとの出会いの場所まで誘導してくれます。
自然の営みには、医療の介入以上の緻密で素晴らしい連係プレーの力があり、その力を発揮させられるのは、紛れも無くカップルとしての男女にあるのです。
二人の子どもが欲しいと願うのは、お互いが大切な存在で、一生涯を共にしようと思っているからです。そのためには、登竜門であるセックスライフを、もっと充実した楽しいものへと変化させる二人の合意と意欲、そして意識高き人になって頂きたいと願います。
女性よ、真のアマゾネスになれ!!
※アマゾネスとは、ギリシャ神話に登場する女性の部族で、馬を飼いならし戦闘を得意とする強い女性を意味する言葉。