ほうれん草と並んで、私たちの食卓に日常的に登場しやすい葉物野菜と言えば「小松菜」。
小松菜は、東京都の江戸川区で誕生した江戸野菜なのです。
けれど、小松菜というと、おひたしにするとか、味噌汁の具にするとか程度で、あまりバリエーションを感じていないのが実際ではないでしょうか。
小松菜には、同じ葉物野菜として類似のお仲間がとても多いのです。
アブラナ科アブラナ属ラパという一つの種に、小松菜のほか、アブラナ、白菜、カブ、水菜、野沢菜、チンゲン菜など数多くの野菜が属しています。
ということは、これらの野菜のお料理法は、小松菜にも適用するという事。アブラナ科特有のどこか感じる辛みや、白菜や青梗菜にみられる旨みなど、小松菜にもこういう要素があるのですよ。NHKの人気番組「ガッテン!」でも、小松菜の料理法について紹介していました。
アブラナ科の植物は、グルコシノレートと呼ばれる成分を持っていて、そのままでは辛くありませんが、細胞が壊れると、別の場所にある酵素と反応して辛み成分イソチオシアネートに変わります。
これは、虫などの外敵から身を守るためのしくみです。この特徴を利用するには低温加熱。細胞は壊れるけど、酵素の活性が失われない温度にすることで、いつもとひと味違うピリ辛小松菜が楽しめます!
さらに小松菜はアブラナ科野菜の中でも、うまみとして感じられるグルタミン酸がとても豊富です。
この特徴を引き出せば、おいしいスープのだしが取れちゃいます。
なかでもシンプルだけどしみじみ美味しいのが「小松菜のしゃぶしゃぶ」。
作り方は簡単ですが、よい状態の小松菜を選んでくださいね。
《 材料 》
小松菜 ・・・適量
水 ・・・1リットル
差し水 ・・・1リットル
昆布 ・・・適量
《 つくり方 》
小松菜を葉と茎の部分にざっくりと切り分ける。(しゃぶしゃぶで使うのは葉の部分)
土鍋に1リットルの水と昆布を入れフタをして火にかけ、フタの穴から湯気が勢いよく出るまで沸かす。
沸騰したら差し水を加えて火を止める。
小松菜の葉1枚を2に入れ、しゃぶしゃぶの要領で3回くぐらせる。
※お湯の温度が下がらないうちに調理してください。3~5分ほどが目安です。
※ほかの大きさの土鍋を使う場合は、お湯と差し水の割合が1:1となるよう量を調節してください。
お好みでポン酢などでいただきます。薬味をいろいろ工夫しても美味しいですよ。