楽しい妊活へと舵を切ってもらうために、今回まで、一番の基本である男女の向き合い方についてお伝えしてきました。
それは、これまで実際にウミヨガのレッスンを通じ、5年間以上向き合ってきた、実際に妊活の真只中にあるカップルを通じ、各夫婦に不足している妊娠へのピースが何なのかを、肌身を通して感じてきたリアルな答えだったからです。
高度の不妊治療を受けても授からず、疲れきってしまった方々のほとんどが、社会的には重要な仕事に就いていたり、責任の重いポストを与えられていたり、男性以上の仕事環境に立たされていました。
本来、女性(メス)には、子を産み育てる役割があり、カラダはそのようなシステムに創られています。男性(オス)と同様に社会に出て戦うための、鎧兜は持っていません。これはストレス耐性をみても分かるのですが、女性は外部から与えられるストレスには非常に弱いのです。
考え方ひとつにしても、男性の多くは論理的思考の持ち主ですが、女性は感情感覚が最優先で、それゆえ、[女性は子宮で物事を考える]ともいわれてきました。
そのように創られているカラダなのですが、男性と同じように仕事をする場合には、そこは極力「男性脳」に近づく必要があり、そこにひずみが生じやすいのです。
本人は気付いていない事が多いのですが、見た目は若々しく華奢で女子力高めに見えるものの、会話をするとまるで男性と話しているような気持ちになることが多く、まさに男前な女性が多いのも特徴です。
そしていつしか、自分の前にいる夫に頼るのではなく、医療を唯一つの頼みの綱として、妊娠するためだけの妊活が始まり、最終的には自分ひとりが頑張っている錯覚に陥ってしまいがちです。
そうなるとやがては自己憐憫にとつながり、しあわせ感や充実感の欠片も見出せなくなってしまいます。これは実に残念極まりないことです。
せっかく良いお相手と遭遇して、ひとつの家庭を持ったのですから、家庭ではオスとメスの関係性を日々大切にして、本来備わった力が失われないように、オスにはオスにしか出来ないこと、メスにはメスにしか出来ないことを追求していただきたいのです。セックスはその代表格だと思います。
お互いがしっかりとした認識を持って認め合う生活が出来れば、それが時代を先取りした楽しい妊活様式になるのかも知れません。
とはいえ、これまで長年かけて作りかけてあげてきたライフスタイルを、一変させるのは、容易な事ではありません。私たちはこの時代のように、ともすればせっかちになり、あれもこれも一度に変化させようとしがちです。確かに変化はしているのに、その動きの振れ方に満足できなかったり、頑張っているのに変化が見て取れなければ、それを非難してしまったり。何ともまあ、自分勝手な生き物です。
ひとつの習慣を変えるだけでも、人は一苦労します。それ以上に変化できずに終わってしまう事の方が圧倒的に多いのが現実です。
ですから、相手に気持ちを伝えることは大切で、相手の言い分に耳を傾けることも大切。さらに、何より大切な事は、相手がきちんと話を聞いてくれたなら、相手が気遣ってくれたなら、相手が笑顔を見せてくれたなら、相手がハグしてくれたなら…と、どのような小さな行動のひとつ、言葉のひとつにも、敏感に反応したいものです。言い換えれば、あたりまえになってしまわないことです。
あたりまえの事など、何ひとつありません。それらのひとつひとつに、気持ちのある感謝を伝えられる素敵な人で在りたいものです。
望む結果を早く手にしたい気持ちは、分かりすぎるくらい分かります。けれどお互いがしあわせ感を味わいながら支えあい寄り添って、そういう基盤が出来上がるまでには、それ相当の時間も経験も必要なのです。
年齢は待ってくれませんが、いま一番何を変化させるのか、それこそが二人で向き合う最初の課題なのだと思います。
ウミヨガでご縁のあった方々のご主人と面談して、一番に思うこと。
それは、妻に対して優しく思いやりと理解がありました。そして私の指導にも、とても素直でいらっしゃいました。
妊娠、出産率の驚くほどの高さは、ここがポイントなのだと、いまさらながら思わされています。