東京で本格的に不妊に対するレッスンを開始して、一番最初に感じたのは、ご縁を頂いて向き合う事になった女性達の全てが(これは決して大げさな言い方ではありません)、暗く沈んでいた事です。
衝撃を受けました。
なぜなら「妊活」とは、最高にハッピーで楽しいものである。との認識を持つ私の感覚からは、予想だに出来なかった現実だったからです。
べビ待ち夫婦の幸せのかたち
年齢の壁、超えますか?
この人と一緒の時間が最高に幸せ。
この人と離れたくない。
この人と一緒に暮らしたい。
気持ちはどんどん上昇して、カップルとしての形が出来上がり、それは紛れも無く自分自身を幸せ者と、自己肯定できるステージの確立であったはずなのです。
人という生き物はなんと身勝手に、無制限に、もっと、もっとを求めるのだろう!
幸せのステージは何故これほどまでに速く、違ったモノになってしまうのだろう!
私は言葉を失いました。
けれどその私の疑問は、瞬きをする速さで納得させられます。
そうです。
不妊の原因の一番とされている年齢の壁。
まさにそれが魔物でした。
私のところに来られる方々は、皆さん総じて妊娠確率が確実に落ちた年齢ではありました。
妊娠を望む気持ちが膨らんだ時、それまではさほど感じていなかった「不妊と年齢」という厳しい現実に突き当たります。
男性と同じように肩を並べて仕事をしてきた経歴もあいまって、ならば何をして目的に向かうのか、答えを導きだすのに大した時間は要りません。
まして社会は不妊治療真っ盛り。
三組に一組がその対象です。
失ってしまった時間を取り戻すには、不妊治療という次なるステージに進むのみ!
社会的な風潮は、追い風となって行動に拍車をかけます。
○めんどくさい事を(セックスを)しなくても医学的にそれが可能なら、それは全く問題ではありませんし、むしろその方が私には合理的で良いと思えます。
○夫にお願いをして、排卵時に合わせセックスをするのは、ハードルが高すぎて無理なのです。
○痛くて辛いだけのセックスをしなくて済むのなら、多少経済的な負担や時間が必要でも、そちらを選びます。
○周りの人たちが不妊治療で子宝を授かっていますので、私も同じように授かれると思って不妊治療に進みました。
ちょっと待って!
70億人の半分、35億人の中から奇跡的に出会ったお相手なのですよ!
あなたが今共に暮らしているパートナーは。
その喜びを十分に享受できぬまま、若しくは与えられないまま、そんなに簡単にやっと巡り会った奇跡の出会いを、味気無いものにしてしまって良いのですか?
それ、最初の間違いですよ!!
あなたは女としての幸せな時間は必要なく、お相手が見つかったら、次は「母となること」が最優先の希望なのですか?
しかも医療に丸投げして。
不妊治療を始めるにも、進めるにも、それは思いやりと喜びに満ちた時間の中に在るはずで、そこを無視して仕事に向き合うようなクール、かつ効率的な一面だけに特化してしまうのは、自分自身を傷つけるだけでなく、カップルとしての真の幸せを構築できないまま年老いるという事にはなりませんか?
子を授かったから幸せ?この考え方も一方向だけしか見ていない結果だと、私は感じています。
年齢の壁は妊娠しにくいだけではなく、もし授かったとしても、膨大なエネルギーと気の遠くなるような労力の提供が出来るカラダなのか!という実はとても大きな問題も併せ持っているのです。